東京に近い茨城・福島沖で大地震も、想定外の震災が示唆−米研究者


5月20日ブルームバーグ):3月11日の三陸沖を震源とする巨大地震はその規模が地震学者の予想を上回り、もっと東京の近くで新たな大地震が発生する可能性を示唆すると米国の研究者らが指摘した。


  米カリフォルニア工科大学のマーク・サイモンズ教授(地球物理学)を中心とする科学者らが19日付の米科学誌サイエンスのオンライン版サイエンスエクスプレスで発表したところでは、3月11日の大地震の前の段階では、断層に沿った引張力の蓄積が示唆する地震の規模は、マグニチュード(M)9よりも小さいとみられていた。


  サイモンズ教授らによれば、今回の地震が発生した日本海溝の巨大衝上断層では、日本が乗るプレートの下に太平洋プレートが年間約8センチのスピードで沈み込んでいるが、地震発生時には太平洋プレートの一部が最大60メートルずれた。これは昨年2月のチリ大地震の3倍の規模に相当する。


  教授らは「2011年の東日本大震災がどれほど想定外だったかを考えると、同じような巨大地震日本海溝の巨大衝上断層の他の場所で発生する可能性も考慮する必要がある。今回の震源の南側の茨城・福島沖で起きることも考えられる」と警告した。


  研究者らは、沈み込んでいる太平洋プレートの海山によって、プレートの滑りが1000年にわたって抑えられてきたという仮説を立てた。地震学者はこれまで、「海側の太平洋プレートが地震を引き起こす引張力の蓄積を伴わずに陸側プレートの下にゆっくりと滑り込んでいる」と誤って解釈してきたが、海山が隣接する部分の滑る幅を抑えることで、むしろひずみを蓄積してきた恐れがあると分析した。


  サイモンズ教授は電子メールで、「この場所で大地震が発生する可能性がどの程度残っているのか、それともゆっくり動いているだけで、地震の脅威はそれほど大きくないのかを科学者が協力して究明する必要がある」と訴えた。


Bloomberg.co.jp
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a3nronwCtQz4


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