母親なりの覚悟

11月7日記載

本日は16時の約束で、I病院相談員の小僧Sと病院内で会うことになっている(地域包括支援センターのMさんも同席)。大事な用件なのだが朝から気が進まない。人のせいにしてはいけないのだが、またあのニヤケ野郎(小僧S)と話をしなければならないと思うと気が滅入ってくるのである。

確か、15時過ぎに病院に入ったように思う。まだ時間があるので母のいる病室へ行くことにしたが、昨日の事があったので非常に重い気分であった。母は起きていた。私が「これからI病院の人と話をしてくる」と言ったら、真剣な表情でうなずいた。この反応は意外であった。

一方、小僧SとMさんとの三者会談は、出来レースの感が否めない展開になった。まあ、しょうがないかと思っていたが、二つの点でとても腹立たしいやりとりがあった。

まず一つ目は、母親の入院期間の話だったと思う。つまりは2月中に次の行き先を決めて3月になったら速やかに退院するという小僧Sの話をMさんが「もう少し(退院は)待ってもらえるということですね」と、なぞったのだが、その発言に対し小僧は「待つというか、猶予期間と言ってもいいですね」とぬかしたことである。

猶予期間だと?何だその表現は?こっちは何も悪いことはしていないぞ!

 二つ目は、何の話をしていたかはよく覚えていないのだが(もちろん母のこれからのことには違いはないのだが)、小僧が甘いことを言ったので、そうじゃないでしょ、と自分は東日本大震災のことを例に出して、いつも最悪の事態を想定しないとダメなんじゃないんですかと言ったら、いつも気持ち悪い笑みを浮かべている小僧が怒ったような顔をして「最悪の事態ならもうわかっているのですよ、それはあなたのお母さんがご自宅に戻るということですよ」とおっしゃった。

はあ?こいつは何を言っているのだ?バカか?こいつ。と思った。

 ダメだ。こいつ全然わかっていない。

こっちが言いたいのは、最悪の事態とは母の命がなくなることなのだ。お前、ふざけるのもいい加減にしろと思うと同時に、2.3発ぶん殴ってやろうかと真剣に思った。まあ、こんなとぼけたバカは相手にしても時間の無駄であるので、これから施設探しを頑張りますとか言って会談を終わりにした。

問題はその後である。再び母のいる病室に行ったのだが、会談前と同じでやはり起きていた。そして開口一番、「私の行き先は決まったのか?」と尋ねられた。どうやら母は今日の会談は自分の退院後の行き先を決める話し合いと勘違いしていたようだ。道理で先程は真剣な表情をしていたと思った。昨日は泣きながら「施設なんて行きたくない」と言っていたのだが、母なりに覚悟を少しずつ決めているのではないだろうかと感じた。昨年11月にささいなことでケンカになった時、こっちが言うだけ言ったら、悲しそうな顔で「それじゃ私は老人ホームへ行くよ」とつぶやいたのを思い出したのだ。その頃から、いやもっと前からヘルパーさん(母は昔の人間なので『お手伝いさん』という表現をしたが)に来てもらうことや、施設に入ることは頭の中で考えていたのではないか。だが、金の心配をしていたのだろうと。もちろん、自分がそんな所(施設)へは行きたくないというのがそういうことを希望しなかった理由であるのは間違いないのだが。

 一旦自宅に帰った後、近所にある不動産屋さんに行った。担当者のTさんから施設のパンフレットを2所分頂いた。また、自分が気になっている施設があるのだがそこに空きはないかをTさんに調べてもらうことを依頼して帰宅した。